自閉症スペクトラム児の早期療育JASPERプログラムの実践記録(全10回)

自閉症スペクトラム児の早期支援・早期療育であるJASPERプログラムを受けてみました JASPERプログラム
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こんにちは!

自閉症スペクトラム児ユッキーの母、ナガユキです(≧∇≦)/

 

息子ユッキーは2歳7ヶ月から発達専門病院で「JASPERプログラムジャスパープログラム」という自閉症スペクトラム児のための療育を2週間に1度受けることになりました!

 

市販のおもちゃを使い、家庭でも取り組めるJASPERプログラム。

この記事では、このJASPERプログラム全10回を実践して学んだことを記録します(≧∇≦)/

なお、JASPERプログラムを受けて学んだポイントを記載しております。同じポイントについては2度目以降は書きませんのでご了承ください。

 

*記事はJASPERプログラムを受けるたびに更新する予定です。

 

▼JASPERプログラムそのものについて知りたい方はこちらの記事をどうぞ♪

 

JASPERプログラムは自閉症スペクトラム児のそれぞれの性質に合わせて実施されます。
つまりオーダーメイドのようにその子だけの形で実施されるプログラムです。この記事に記録しているのは息子ユッキーが受けたJASPERプログラムの記録であり、すべての自閉症スペクトラム児の方にそのまま使えるものではないことをご了承ください

 

JASPERプログラム第1回

第1回目のJASPERプログラムを受けてきました。

JASPERプログラムは先生とユッキーの1対1で行われます。

親は先生と子どもから少し離れた場所から見守ります。私は必死に実施内容をメモしてました(笑)

▼以下が実践内容とポイントです。

 

●まず先生が2種類のおもちゃを提示して「どちらで遊ぶ?」と質問。

おままごとセットと車のおもちゃを見たユッキーは、車を指さして車のおもちゃ遊び開始。

おもちゃを子どもに選ばせる

 

●次に「車でたくさん遊んだね。次はおままごとをしよう♪」と先生が車を片付け→おままごとセットを出す。

おままごとセットは食材やケーキ、包丁、まな板、お皿など2セットずつ。

2セットずつあるので、先生がユッキーのマネをしながら遊ぶ。

ユッキーが先生のやることを見るようになったら、ユッキーに先生のマネをするよう促す。

これ、「マネっこで社会性を鍛えよう♪」とこちらの記事に書いた手法そのものでした!

同じおもちゃを2セット用意し、大人が子どものマネをしたり、マネをしてもらったりしながら遊ぶ

 

●先生からユッキーに「あーん」したり、ユッキーから先生に「あーん」したり、やりとり遊びを楽しむ。

やりとり遊びを楽しむ。

 

●電子レンジのおもちゃにおままごとの食材を入れる(今回はトウモロコシ)。

先生が「トウモロコシあっためようね♪ブーーーーン・・・・・チン!」と言って「チン」のところでレンジのおもちゃの扉を開ける。

ユッキー、この遊びの2回目からは先生の「チン!」で扉が開くのを待てるようになりました♪

大人の「チン!」という反応に注目させることで、相手の反応に注意を向ける練習をする。

 

●おままごとセットを1度片付けて、学研のニューブロックでユッキーの好きな電車を作らせる。

▼ご参考:学研のニューブロック

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ブロックで作ったものを自分の好きなものに見立てて遊ぶ見立て遊びをする。

 

●シルバニアファミリーのおうちのおもちゃと人形を用意して、先生が「どこにテーブルを置く?」と声をかけながら家をつくる(やりとり遊び)。

▼ご参考:シルバニアファミリー

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なお、ユッキーは先生を無視して「ピンポーン」とチャイムを鳴らして玄関から人形を出し入れする遊びを繰り返していました(^_^;)

先生はそんなユッキーに合わせつつ、タイミングを見ながら「じゃあここにテーブル置くね」と声かけを続けます。

子どものペースに合わせつつ、タイミングをみて大人からも働きかけていく。

 

●先生がおままごとセットの食材を再び用意し「ここ、八百屋さんね」と宣言。

学研のニューブロックで線路をつくり、先ほどブロックで作った電車にシルバニアファミリーの人形をのせ、電車で八百屋さんまで食材を買いに行くごっこ遊び。

 

食材を購入したあとは、また電車でシルバニアファミリーのおうちに帰る。

そして人形どうしで「あーん」「おいしいね」といった遊びをする。

「次は○○を買いに行こう♪」と声をかけ、同じ遊びを繰り返したところで今回のJASPERプログラムは終了。

複数のおもちゃを組み合わせて使うことで、ごっこ遊びの世界を広げる

 

 

第一回目のJASPERプログラムはここまで。

所要時間はだいたい40分でした。

終了後は今回のポイントのおさらいをして、ユッキーのふだんの様子を先生と共有。

 

▼なお、先生から言われたポイントは下記の3つでした。

  • 同じおもちゃを2セット用意して、お互いにマネっこしあう
  • 電子レンジの「チン!」のように、相手を意識させる遊びをする
  • 複数のおもちゃを組み合わせてごっこ遊びの世界を広げる

 

「相手を意識する」ことが弱いユッキーには最適な遊びだな~と、とても勉強になりました(≧∇≦)/

 

JASPERプログラム第2回

2回目のJASPERプログラムを受けてきました♪

単に自閉症スペクトラム児の療育というだけではなく、2歳児としての知育的な働きかけも意識されていると感じましたので、その点もポイントとして書いています。

*○○おもちゃ(初登場)とは、このJASPERプログラム中で初めて出てきたおもちゃという意味です。

 

▼以下が実践内容とポイントです。

 

●ままごとのケーキセットと積み木のおもちゃ(初登場)を選ばせる。

→ユッキーは積み木のおもちゃを選びました。

 

●積み木を車に見立て、レゴデュプロのウサギとネコの人形(初登場)を乗せて遊ぶ。

▼参考:レゴ(LEGO)デュプロ

 

●積み木でトンネルを作り、ウサギとネコを乗せた積み木の車でトンネルくぐりを楽しむ。

→ユッキー、先生のマネをしてトンネルくぐりに挑戦。

あたるとすぐに崩れる積み木のトンネルをくぐらせることで、集中力・注意力を鍛える

 

●先生がウサギとネコで会話をさせる。

ウサギとネコの会話を通して、他人が自分とは違うものを見たり感じたりしていることを意識させる

 

●トリの人形追加(ウサギとネコと同じ種類のおもちゃ)。

「ぼくも入れて」と言いながら仲間に加わる姿を見せる。ごっこ遊びを通して友達との遊び方を学ばせる

 

●ウサギとネコとトリでかくれんぼをする。

かくれんぼでかくれる際に「1、2、3…9、10」と数えて聞かせること(数唱)で、数の感覚の基礎を養う

 

●かくれんぼのかくれる場所を増やすため、シルバニアファミリーのおうちを追加。

→ユッキー、かくれんぼを無視してピンポーンをチャイムを鳴らし、玄関から人形の出し入れをする遊びにうつる。先生はユッキーに合わせておうちを使ってのごっこ遊びを開始。

 

●レゴ(LEGO)デュプロのブロック追加。車を作ってウサギ達を乗せてスーパーまでお出かけ買い出し遊び。

スーパーに見立てた場所にパン、魚、みかんの絵が描かれたブロックを用意し、「どれを買おうか?」と選ばせる。選んだブロックを無理やり取ろうとしたので「ちょうだい、だよ」と言い、ユッキーが声を出すまで渡さないそぶりを見せる。声を出したら正確に「ちょうだい」と言えていなくても渡す。

「ちょうだい」と言わないと渡さないそぶりを見せることで、「ちょうだい」と声を出すことの必要性を認識させる

 

●「買ってきたものをテーブルの上に置こう」「みんなをイスに座らせてあげて」「じゃあ皆でいただきますしよう」「もぐもぐ、おいしいね」と声をかけながら遊ぶ。

 

●2回目の買い出しへ。積み木でトンネルを作り、難易度を上げる。

遊びのレベル・難易度を少しずつ上げる

 

●ごっこ遊び中にシルバニアファミリーのおうちを回して見せる。

色んな角度から見せることで、見る場所が変わると見え方が変わることを理解させる

 

●先生が「もっといっぱいお料理しよう♪」と声をかけ、ままごとセットを出してそれまでのおもちゃをサッと片付ける。

 

●包丁のおもちゃで野菜を切ったあと、コンロのおもちゃ(初登場)でゆでたり焼いたりするごっこ遊びをする。「とうもろこしアチチ」と声をかけ、「熱いつもりごっこ」をする。

目に見えない「熱さ」をごっこ遊びに取り入れることで、ごっこ遊びのレベルを上げる。

 

●「おなかすいた~」と言いながらポポちゃん人形(初登場)を出す。

▼参考:ポポちゃん人形

→ユッキー、ポポちゃん人形が気に入らなかったのか無慈悲に投げる(ノД`)・゜・。

先生は「ポポちゃんねんねさせておこうか」と声をかけてさりげなくポポちゃんをお片付けする。

*その後も2回頃合いをみてポポちゃんを出すが、ユッキーが気に入らなかったようなので待機させる。

 

●ケーキセットで「ハッピーバースデー」の歌を歌い、拍手をして楽しむ。

歌を楽しむ

 

●お茶をコップに入れて飲むマネをして遊ぶ。ユッキーがコップを斜めにしたので「あ~っ、お茶こぼれちゃった!」と先生が声をかける。

→ユッキーはそれが気に行ったらしく、なんどもお茶をこぼすマネをして楽しんだ。

目に見えない「お茶」のごっこ遊びを通して想像力を鍛える

 

●お医者さんごっこセット(初登場)とポポちゃんを出し、お医者さんごっこを始める。

→同じ聴診器のおもちゃが2つあり、先生が1つをつけて見せ、ユッキーにもつけようとするがユッキーは拒否(聴診器を耳につけられるのがイヤだった様子)。

 

●先生が「ポポちゃん、お腹いたいんだって。」と言いながら診察のマネをする。

→ユッキー、やはりポポちゃんが気に入らないのか投げてしまう。

 

●ままごとセットでユッキーが料理したものを先生がポポちゃんに食べさせる、という姿を見せて終了。

 

 

第2回目のJASPERプログラムはここまで。

終了後には今回のプログラムを通してのユッキーの様子を先生の目から見てどうだったか話していただきます。

目を合わせられる回数が増えた上、「じゃ、ばいばい」など会話文が出てきており、とても素晴らしい成長ぶりだと言っていただけました(≧∇≦)/

 

さらに、「これを見て欲しい!」といったように「自分の気持ちを他人と共有したい」という様子が見られるようになったことが良かったそうです。

▼この様子を見た先生からのアドバイス。

「自分の気持ちを他人と共有したい」という様子が見られたら、大人から積極的に目を合わせにいく。そうして目と目を合わせて感情を共有する機会を増やしていく。

 

先生とユッキーの成長を共有できるのは親としても嬉しいです!

それにしても、遊びを通してこれだけ知育的なことができるんですね。勉強になります(≧∇≦)/

 

あとがき

JASPERプログラムは家での遊びに応用できる点が良いですね♪

 

さて、くどいようですがお伝えしたいことがあります。

JASPERプログラムを受ける4週間前に「SPACE(スペース)」、2週間に「ADOS-2(エイドスツー)」と呼ばれる検査を受けました。

その検査を通して、先生がユッキーの好きな遊びや苦手&怖いこと、ユッキーの伸ばすべき点を知った上でこのJASPERプログラムは実施されています。

JASPERプログラムは子どもの特性に合わせたオーダーメイド型のプログラム

ユッキーと違うお子さんがJASPERプログラムを受けたなら、また違う形で実施されるでしょう。

 

この記事に書いていることは、あくまでもJASPERプログラムの一例ということでよろしくお願いします(≧∇≦)/

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